DIZZY MIZZ LIZZY

何かを続けるっつーのはいつの世も大変である。大抵、自分の状況が変わるから余計に大変である。それで大儲けでもしてんなら別だが、続けて意味あんの?って人にも自分にも言われるだろう。本当は意味なんか元々求めてないのにね。今年前半、大分HeavyMetalと向き直してみたら、20年前からずっと続けてる人達が結構いる。いやしかし続けるってのは素晴らしいね。無駄な物を続けても無駄なのは変わらないという人も居るでしょう。いやだがしかし続けてる奴等はかっけーよ。鳴りがかっけーよ。続けられるって事はそれだけでセンスなんだな。良し悪しじゃねーんだ。センスがあるってこった。良いか悪いかは周りがあーだこーだ言っときゃいーんだから。

そしてここに書こうとしてるんはDIZZY MIZZ LIZZYだ。デンマークのバンドだ。20年前に解散して今年、再結成して20年ぶりのアルバム出しました。続けてねーじゃん!ギター&ボーカル、ベース、ドラムの3人組。バンド解散後ベースは郵便配達員、ドラムはプロパンガスの配達員、そしてギター&ボーカルは素敵な歌を君に配達員。うるせーわ。つーこってギター&ボーカル以外は再結成ライブとかがあったが基本は音楽業界から離れていたらしい。と、こんな書き方するとまあまあの注目浴びて注目の程には売れずに解散したバンドのように思われるかもしれない、だが知ってる人には今更感が溢れ出んばかりでしょうが実際は20才そこそこで出したデビューアルバムがバンドの母国デンマークの記録を塗り替えまくるほどの大ヒット。日本でもかなり売れたんではなかろうか。勿論、俺も買った。そんな大ヒットを飛ばしてワケわからんな状態やギター&ボーカルのティム・クリスチャンセンがハードな音楽から少し離れたくなり、グランジ以降のロックとしてRADIOHEADなんかに憧れてた模様。他の2人はまだメタル寄りな音楽をしたかったみたいで、若かったし色々あったんでしょう。2nd出してすぐに解散。ギター&ボーカルのティムはソロとしてデンマークではかなりの重鎮になっていった模様。ソロで出した曲がメリケン国のショービス女王、セリーヌ・ディオンにカバーされるなんて事もある程作曲者としてかなりの存在なんだろう。

つーこって

今年出た再結成アルバム。3rdアルバムになりますな。凄い格好良い。無駄な物を削ぎ落としつつもティムの独特の節回しなんかはちゃんと残して。バンドが一枚岩に鳴らすソリッドなハードロッキンアルバム。演奏も文句無しに素晴らしい。いやこのバンドってドラムがやたら良いんだよ。そのドラムとギター&ボーカルをしっかり繋ぐベースも相変わらずの流石さ。メタル好きだけじゃなくMUSE好きな人なんかにもきっちりアピール出来るんじゃなかろか。
なのにだ、なんだか遠くで鳴ってるような感覚に陥ってしまった。能動的に聞いてるのになんか他人事のような。

実は

ローテイター

ローテイター

20年程前にこの2nd聞いた時にも同じ事を思ったんだが、それを思い出してしまった。これまた格好良いハードロッキンアルバム。

てな訳で

ディジー・ミズ・リジー

ディジー・ミズ・リジー

この1stが好きすぎるんだな自分は。2nd、3rdに比べて個々の楽器の主張が強い。多少楽曲が荒削りでもその主張でぐいぐい聞かせる。無駄なものを削ぎ落とした3rdなんだが、削ぎ落とした無駄なものの中にこそ俺がこのバンドに心酔した何かがあったんだろう。

でもティムがなんでここに来てバンド再結成に臨んだのか分かった気はした。ワールドワイドで、もっと言えば英米で結果を残したいんではなかろうか。自分の国ではかなりの存在だがもっと突き抜けたい。そんでうやむやな勢いで解散させちまったバンド。もしそれが続いてたらどうだったんだろうかとずっと思ってたんじゃなかろうか。そんな色々な思いにケリを付けたら突き抜けられるんじゃないか。そんぐらいの半端ねー出来なのは間違いない。何気に過去一番のラウドなアルバムでもある。

また続けるって決めた3人。元々デンマークの人と日本のメタル人はセンスがあり余った3人なのは知ってる。続けられるセンスと合致してビカビカに輝いてって欲しいです。ええもう買いますよ次のアルバムも。イギリス辺りで待望視されてるであろう次のアルバムも。

あーセンスなんて物とは程遠いが、音楽を聞き続けますかねこっちは。聞き続けんのもセンスだきっと。多分。だったらいいな。おやすみ。