100 TROMBONES CONCERT

『76人のトロンボーン』って曲がありまして、メレディス・ウィルソンのミュージカル『ミュージック・マン』に使用されている行進曲、主人公である楽器のセールスマンのハロルド・ヒル「教授」がリバーシティの住民に楽器を売ろうとする際、大きいマーチングバンドでパレードをする子供の姿を想像させるために歌った曲。ヒルが説明するバンドは、76本のトロンボーンの他に110本のコルネットや1000本以上の木管楽器などを含む巨大なバンド。なのでこの曲で本当に76本のトロンボーンが鳴っている訳ではないんす。76人のトロン・ボーンさんが演奏してる訳でもないんす。1本のトロンボーンを76人のトロンボーン奏者が取り合って演奏してる訳でも勿論ない。んでもね100本のトロンボーンで演奏した人達がいましてね。そんな人達のライブ盤。

1〜4曲目がシューマンブルックナーなんかのクラシック曲を100人のトロンボーン奏者のみで演奏。なんだかもう、やたら荘厳な演奏。
5〜9曲目がドラムスやらギターやらベースやらを交えてのジャズ演奏。ちゃんとソロをとるトロンボーン奏者が各曲にいまして。なんだかもう、やたら楽しげな演奏。
10曲目がガーシュインの『ポギーとベス』。11曲目がスターウォーズ組曲をダイジェストな趣で。で12曲目が先に書いた『76人のトロンボーン』を100人で演奏。なんだかもう、ズリーよ!って言いたくなるくらいな荘厳で楽しげで嬉しくなってくるような演奏。

演奏者の殆どがコンサート当日のリハで初めてなんの曲をやるか知らされたそうで、そんな複雑なアレンジは施されてません。逆にそんなアレンジだからこそ演奏の繊細さと大胆さが分かりやすくこちらに響いてきて、あーこりゃたまらん、てな具合にしてくれる。

上野の水上音楽堂でのコンサートだったらしく、なんともまあピッタリな場所でやりやがったなこんちくしょう。
ヒルに日本で100人の酔狂なトロンボーン奏者(全員がプロ)がいるよって教えたくなるライブ録音のCD。

100トロンボーンズ

100トロンボーンズ