ZAP MAMA

マリー・ドレヌはベルギー人の父親とザイール人の母親の元、ベルギーより独立して間もないコンゴ(旧ザイール)に生まれる。父親はコンゴ動乱に巻き込まれ彼女が幼い頃に亡くなる。母親は白人と結婚したという事から迫害を受けたため、小柄で知られるアフリカの原住民のピグミー族の元に子供達と共に逃げ込んだ。この地でドレヌは育ち、後にベルギーのブリュッセルへと越した。母親は子供達にピグミー族の伝統音楽であるポリフォニック・コーラスを教え込もうとしたが、ドレヌはスティーヴィー・ワンダー等のソウルミュージックに夢中で、ピグミー族の音楽には見向きもしなかった。成長するに従いピグミー族の音楽に興味を持ち、18歳の時にザイール(この時はコンゴよりザイールに名前を戻している)に帰国し、ピグミー族の音楽に改めて触れることになる。ベルギーに戻ると、1990年に女性のみのクインテット構成となるア・カペラ・コーラス・グループ、ZAP MAMAを結成した。

上のドレヌの説明wikiから盗って来ました。どんな生い立ちだっつー話だよ。尻尾の生えた赤ん坊が武道の達人に拾われて育てられたらそれが宇宙の中でも有数の戦闘民族だったとかそんなレベルまでいかないと、ドレヌの生い立ちにゃ敵わんな。

オッス、オラ ZAP MAMA!ってな訳でZAP MAMAだ。ZAP MAMAのANCESTRY IN PROGRESSってアルバムだ。ZAP MAMAがほぼドレヌの個人プロジェクトになってからのアルバム。
ニューソウルとやらの範疇に入るのだと思うが、アフリカンな音がそこいら中に散りばめられてますがな。流石ピグミー族に育てられただけの事はある。ドレヌの伸び伸びとした発想と歌声が全編に渡って息づいてます。ニューソウルとアフリカンの混ざり具合が調度ピンポイントに自然と不自然の境界線上にあるような。いやまさに境界線上のドレヌ。この境界線上を伸び伸び歩けるのはとんでもない生い立ちに由来してるのかな、なんて穿ってしまう程独特の塩梅で唸ってしまう。自然と不自然の境界線を音にしたような、感じた事無い感覚にしてくれた素敵なアルバムです。


Ancestry in Progress

Ancestry in Progress